2016年1月30日土曜日

『サンダーバード』讃!:vol.16~オーシャンパイオニア号の危機~

 今回の~オーシャンパイオニア号の危機~は、
日本では第16話、本国イギリスでは第19話として放送された

大型タンカー=オーシャンパイオニア号1世号が、
液体アルステリンを満載したまま
地中海の濃霧の中で大爆発を起して沈没してしまいます。
その半年後、オーシャンパイオニア2世号が
1世号と同様の処女航海に出ます。

一方、サンダーバード5号に発生する電波障害の
原因を究明していたブレインズが、
アルステリンと犬の餌に配合するOD60の接近が電波障害を起し
やがて爆発するという事を突き止めます。

しかしその頃、オーシャンパイオニア2世号は、
OD60を培養する海域に接近していたのでした・・・

尚、この回では、以前に紹介した第4話~ピラミッドの怪~
の場合とが逆に、宇宙ステーション=サンダーバード5号と
ドッキングしていた宇宙船=サンダーバード3号が、
5号から離れて帰還発進するシーンを見ることができます。
そして、5号に常駐しているジョンが、
アランと交代して珍しく救助活動に参加しています。


とても人形劇とは思えないような
真迫のリアリティーで、観るものを近未来の世界に誘う
このサンダーバード・シリーズは、
どの回も本当に面白く、興味が尽きません。

何しろ、この回では、単独では何でもない物質が、
接近もしくは化合することによって
有害物質や危険物質に変化するという、
今日の複合化学物質汚染を予見しているような
科学的な視点を根拠にしているのですから、本当に恐れ入ります。


・・・この回にも登場している名脇役
        ブレインズとパーカーの写真です・・・



2016年1月26日火曜日

「サンダーバード」讚!:voo.15〜大ワニの襲撃〜

サンダーバード博 日本科学未来館



二年ほど前に開催されたサンダーバード博の映像を
先ずリンクしました。

さて、今日ご紹介する〜大ワニの襲撃〜は、
日本では第15話、本国イギリスでは第23話として放送されました。
とにかくシリーズの中でも一際異彩を放つ作品です。
何しろ本物の(勿論小型の種類でしょうけれど・・・)ワニを
撮影に使って、大ワニに襲撃される密林の湿地帯の光景を、
実写人形劇として撮影しているのです。
物作りの素晴らしさや楽しさを支持しながら、
毎週日曜日に「サンダーバード」を話題にしている私ですが、
この回を見た時は、子供心にも「ここまでやるのか!」と、
感心するやら呆れるやら・・・、とにかくご一見あれ。

舞台設定はアメリカ東南部のジャングルで、
そこに研究所を構えるオーチャード博士が、
生物を急成長させる薬品の抽出と精製に成功したところから、
この回の話は始る訳です。
しかし、使用人がそれを盗み出そうとした際に、
無神経にも薬品の一部を下水に流してしまい、
周囲の湿地帯に生息するワニが巨大化してしまうのです。
そしてそして、国際救助隊が
大ワニに立ち向かうということになるのです。
ちょっと、ウルトラマンのような感じですね。

いったい、この回の撮影には、
どれくらいの時間と忍耐を要したことでしょう。
指示をしたところで言うことを理解するはずもない
本物のワニの気の向くままの動きを根気強く撮影して、
編集に編集を重ねて、完成させたに違いありません。
でも、制作に携わった人々は、大変ではあっても、
きっと楽しくて楽しくて仕方なかったことでしょう。
物作りは、本当に楽しいものなのだと思います。



今日の写真は、サンダーバード5号です。
宇宙ステーションで、世界中の無線を傍受して、
救助すべき事故や災害をキャッチします。
サンダーバード3号とのドッキングも可能です。
通常は、次男のジョンが常駐していますが、
ときどき末っ子(5男)アランが交代して勤務します。
その辺りの事情は、次回の記事でご紹介出来る予定です。

2016年1月23日土曜日

『サンダーバード』讃!:第14話〜火星ロケットの危機〜

 今回の~火星ロケットの危機~は、
日本では第14話、本国イギリスでは第6話として放送された
かなり手の込んだ展開で人気があるストーリーです。
実写人形劇とは思えないような、
模型と特撮を駆使した映像の醍醐味を存分に味わうことができます。
私にとっても、子供の時に観た記憶が鮮明に残っているものの一つです。
水中作業艇のサンダーバード4号が大活躍します。



アメリカで造られた火星探査ロケットをイギリスから
打ち上げることになったところから話は始ります。
その火星ロケットを超大型トレーラーで陸送中、
アーリントン橋という大吊り橋が、前日の嵐でダメージを
受けていたためにロケットの過大な重量に持ち堪えられず、
遂に崩落してしまします。
ロケットは乗員を載せたまま、テムズ河の川底に沈んでしまい、
しかもその衝撃で自動発射装置まで作動してしまうのです。

このような状況になると、活躍するサンダーバードの装備は、
小型水中作業船の4号です。勿論、最後は絶体絶命の乗員を
間一髪ではあるものの見事に救出するのです。



このストーリーでは、たまたまイギリスに赴いていたブレインズが、
アーリントン橋の管理室に入り込んで、重要な役回りを演じます。

ちょっと頭のおかしい人を装いながら、ぶつぶつと囁くように、
国際救助隊の本部や隊員達に、情報を伝達するのですが・・・
そのとぼけた演技が(いやいや人形なのですが・・・)、
何ともほのぼのとしたいい味なのです。

人形劇=スーパーマリオネーションという事を超越して、
手作り故の臨場感で本物の迫力と情感を表現しているところが、
この『サンダーバード』の魅力なのです。






















さて、断続的に紹介している昭和40年頃に渋谷駅周辺の
模型(ジオラマ)のカットを、また一つアップしましょう。
東急東横店の屋上の活況も克明に作り込んであるのには本当に恐れ入りました。





2016年1月16日土曜日

『サンダーバード』讃!:第13話〜火星人の来襲〜

今回の~火星人の来襲~は、スリリングなようでコミカルな、
なかなか面白い物語になっています。
日本では第13話、本国イギリスでは第24話として放送されました。









敵役のフッドが、
手の込んだ仕掛けをして、
撮影厳禁のサンダーバードを撮影して、
何とかその最先端の技術を
盗み出したいフッドが出資して、
ネバダ砂漠で「火星人が来襲して
警官も襲われてしまう」
というようなシーンの映画撮影を行ない、
その中で本当に国際救助隊を呼び出してしまう・・・
という奇想天外なストーリーなのです。

このフッドという人物、何やら怪しげな背景音楽と相俟って、
登場する度に異様な雰囲気を醸し出します。
実は、トレイシー家(国際救助隊の基地)の執事を務める
キラノは、もとはフッドから送り込まれた人物だったのですが、
すっかりジェフ・トレイシー等の人間性に感化されて、
今は娘のミンミンとともにすっかりトレイシー家の一員に
なっているのです。
しかし時々、フッドが妖術を使ってキラノを遠隔催眠にかけて、
何やら指令行動をさせたりもするのですが・・・

この回には、珍しい装備「鉄の爪タンク」が登場します。
サンダーバード2号の運ぶ装備のマニアにとっては、
必見の回かもしれませんね。

写真は、この回で催眠状態のキラノに
カメラ探知装置を破壊されてしまう、
サンダーバード1号です。


2016年1月12日火曜日

サンダーバード讚!:第12話〜死の大金庫

今回の~死の大金庫~は、番外編的な面白いストーリーです。
日本では第12話、本国イギリスでは第13話として放送されました。

この回では、珍しくパーカーが主人公として大活躍します。

パーカーって誰?・・・
という方も居られるかもしれませんが、
ロンドン・エージェント=ペネロープの
執事(兼運転手)を務める、
ちょっとお茶目な謎の人物です。

実は、この回のストーリーの展開の中で、
パーカーの正体=人物像が明らかになります。
何しろ、昔々の素性は、
天下の大泥棒だったらしいのです!

おっと、
あまりここでお話してしまうと興ざめですね。
実際にご覧になって、
このストーリーをお楽しみください。

時々登場して、ピリリと利くスパイスのような
存在感を発揮してくれる名脇役陣も、
「サンダーバード」シリーズを支えている
重要なキャラクターです。
右上の写真、上段は国際救助隊の頭脳=ブレインズ、
そして下段が、この回のヒーロー=パーカーです。

細やかな人物設定も、
サンダーバードの魅力に
大きく寄与しているのです。



さて、今日も昭和40年頃の渋谷駅周辺の模型(ジオラマ)
の写真です。首都高速3号線の橋脚工事の様子まで、
克明に作り込まれています。
前回の写真の反対側からのカットです。








2016年1月8日金曜日

サンダーバード讚!:第11話〜超音ジェット機レッドアロー

今回の~超音ジェット機レッドアロー~は、
日本では第11話、本国イギリスでは第5話として放送されました。
大型メカによるスペクタクルな魅力とは少々趣が変わって、
小型メカが活躍するストーリー展開が特徴です。

敵役のフッドが某国将軍の命を受けて、
英国軍最新鋭戦闘機レッドアローが執拗に狙います。
それによる事故の責任を問われて要職を解任された、
ジェフ・トレーシーの友人=ケーシー大佐が、
サンダーバードの基地とも知らずに
トレーシー一家を訪ねてきます。
そのケーシー大佐の目を盗んで、救助活動が展開されるという、
なかなか凝ったストーリー展開です。

ミンミンに誘われてダイビングに行っている間に、
救助活動は終了して、彼の疑いも見事に晴れて、
ハッピー・エンドという訳です。

さて、下の写真は、サンダーバード基地の名物シーン、
専用発射台から離陸する2号の映像です。




そしてそして・・・手作りの魅力の紹介の続きです。
まだ東急百貨店本店1階に展示してあるでしょうか。
昭和40年頃の渋谷駅周辺の風景、何度見てもワクワクします。
東口広場を見下ろしながら地下鉄銀座線が渋谷駅に進入する
シーンの構図は、今も変わりがありませんね。
路面の都電の活況に圧倒されますが、
これが正に私の幼少期の渋谷だったのです。
懐かしい!














2016年1月5日火曜日

「サンダーバード」讚!:第10話〜ニューヨークの恐怖〜

 今回の~ニューヨークの恐怖~は、
日本では第10話、本国イギリスでは第4話として放送された
シリーズの中でも特に有名で人気のあるストーリーです。
平素の回にも増して模型を駆使した実写映像の
醍醐味を存分に味わうことができます。

車輪がバウンドするスローモーションのような感じ、
タイヤの空転と土ぼこりや砂ぼこり、
炎や煙の実際の使用による実物さながらの撮影、等々、
まるで本物を実写で撮影しているような錯覚に陥ります。



今回のストーリーは、"007シリーズ"でも時折見受けられる
オープニング・サービス・ストーリーがあります。
それも二つのエピソードが絡みます。

一つは、世界平和維持の為の機密保持のための撮影禁止に
異を唱えて写真撮影を敢行したジャーナリストとカメラマンと
サンダーバード1号操縦のスコット(長男)の確執です。

もう一つは、バージル(3男)操縦のサンダーバード2号が、
米国戦艦センチネル号に国籍不明飛行物体として
ミサイル攻撃を受けてしまい、
墜落こそ免れたものの満身創痍で何とか基地に帰還する、
というエピソードです。

その後、物語は本題に入って行きます。
ニューヨーク・マンハッタンの都市計画実施のために、
エンパイア・エステート・ビルディングを
原子力エンジンを装備した巨大マシーンで移設するという
超ビッグプロジェクトが、国際放送で全世界が注目する中で
実施されるのですが・・・ 

地下河川の影響による地盤の崩落によって、
ビルは傾き、やがて崩壊するという大惨事に陥るのです。
その模様を生中継したいた因縁のジャーナリストとカメラマンが、
結局地中に閉じこめられてしまい、
国際救助隊が救出に向かうことになるのです。

但し、装備輸送機である2号は修理中で出動不能であるため、
その2号を攻撃してしまったセンチネル号に
サンダーバード4号(小型水中作業船)を
途中で搬送してもらうということにもなる訳です。
4号の操縦は、ゴードン(4男)の担当です。 




















こういったストーリー構成は、子供向け番組の概念を 
遥かに超えていて、本格的な映画のように 複雑精緻です。

コンピュータの普及や ソフトウェアの開発によって、
ヴァーチャルの世界は長足の 発展を遂げていますが、
その便利さや素晴らしさを享受しつつも、
手づくりの素晴らしさも、忘れずにいたいものです。
"人間の素晴らしさ"でもあると思います。




以前に少しご紹介した昭和40年頃の渋谷駅のジオラマの全景、
但し裏面からの眺めをご紹介しましょう。
旧・東横線渋谷駅のなつかしい波形屋根が懐かしいでしょう!?
今後の全容の詳細の紹介をどうぞお楽しみに。



2016年1月2日土曜日

「サンダーバード」讚!第9話〜ペネロープの危機〜

明けましておめでとうございます。
今年もこのブログサイトで、
サンダーバードの各回の世界へ
日本での初回放送順にご案内していきましょう。

今日は、イギリス本国では第3話、


日本では第9話として放送された
~ペネロープの危機~を紹介します。





ペネロープは、この
サンダーバード・シリーズに時々登場する、
今風に言うならば
"本物のセレブ"のレディです。

(右の写真は、勿論、
 ピンクのスーパーカー
 ペネロープ号です!)




セイロン在住の英国貴族の娘で、世界への貢献とスリルを求めて
ヨーロッパ国際組織FABで活動していたところを、
ジェフ・トレイシーにスカウトされて国際救助隊の一員になり、
ロンドン・エイジェントを務めているという人物設定です。

何しろ、ロンドン郊外のお城のような豪邸に住み、
執事のパーカー(これがまたいわく付きに曲者なのですが、
後日に詳しく紹介しましょう)が運転する車=ペネロープ号が、
ピンクのロールスロイス特別仕様車(6輪!)というのですから、
人形と模型の実写と解って見ていても、ワクワクしてきます。

この~ペネロープの危機~は、
そのペネロープが、ある事件に巻き込まれていって、
絶対絶命のピンチに陥ってしまい、
国際救助隊の救出作戦によってその窮地を免れるという、
"007シリーズ"や"スパイ大作戦"に一脈通じるような、
ストーリー展開です。

また、この回には、ゲスト・メカ的存在として、
超高速超高速モノレールが登場します。
未来のオリエント急行をモノレール仕立てにしたような
豪華な列車です。
パンダで有名な上野動物園の園内を走るモノレールと同じ
懸垂型で、エレガントなデザインが目を惹きます。
このシリーズが制作された1960年中盤の時代感覚として、
モノレールが新進交通機関として注目されていたのですね。
羽田空港アクセス公共交通機関として有名な
東京モノレールの開通も、1964年です。

最後に、ペネロープの声優が誰だったかご存知ですか?
黒柳徹子さんだったのです。
今観ても(聴いても)、はまり役です。